田野の町おこし

「消費人口を、関係人口へ。」

田野という町

和歌山市田野は、海まで歩いてすぐの小さな漁師町。高齢化率63.4%(和歌山市公式資料・2025年4月現在)——和歌山市でもっとも高齢化が進む町のひとつです。夏には波早ビーチや田野漁港に多くの人が訪れますが、地域との接点や、地域にお金が落ちる場所はまだ少ない。私たちはこの町の20年後を考えています。

私と田野

私にとって田野は、事業のために選んだ土地ではありません。祖父母が暮らした家があり、小学校の6年間を過ごした、家族のルーツです。

正直に言うと、子どもの頃の私にとって、田野は「いい思い出の町」ではありませんでした。小学1年生で東京から引っ越してきて、ホームシックで、海で泳ぐでもなく、虫も苦手で。祖父母の家から雑賀崎小学校に通う毎日——それが私の田野でした。

中学からはまた東京と海外で育ち、社会人としても東京で働いて、2025年6月、この町に戻ってきました。空き家になっていた祖父母の家を宿として再生したとき、初めて「この町の20年後」が自分の問題になりました。子どもの頃に好きになれなかった町を、大人になった自分がどこまで面白くできるか——いまはそれを試している気がします。

何もない、がある

田野には、観光施設らしいものはほとんどありません。あるのは、海と、漁港と、波の音。

でも宿を始めてわかったのは、「何もない」は資源だということです。宿泊のお客様の約半数は釣り目的。関西圏から通うリピーターの方もいます。田野漁港は、釣れる魚の大きさと種類で選ばれている。釣った魚をその日にさばいて、波の音を聞きながら食卓を囲む——ここでしかできない時間が、ちゃんとあるんです。

やってきたこと

  • 空き家だった祖父母の家を、一棟貸しの宿「浪早の宿 波音」として再生(2025年〜)
  • 地域の若手との定期的な話し合い
  • 和歌山市の空き家再生の取り組みに、地元事業者・住民として参画

これからやりたいこと

  • 泊まって終わりではなく「また来たい」「誰かに会いたい」と思える滞在づくり(釣り・海・自炊・酒・人をひとつの体験に)
  • 地元のおじいちゃん・おばあちゃんと囲む、無料の麻雀卓。お金は一切かけない、ただの麻雀です
  • AI・映像など他の事業と掛け算した、田野の魅力の言語化と発信

なぜ、麻雀なのか

祖父が生きていた頃、近所の家に麻雀をしに集まっていて、私も何度かついて行きました。覚えているのは、みんながとにかくよく喋っていたこと。麻雀は3〜4人で卓を囲み、何時間も一緒に過ごす遊びです。会話がなければ成り立たない。

AIの時代には、AIにできることと、人間にしかできないことが、はっきり分かれていくと思っています。だからこそ、人間同士が何時間も同じ卓を囲む時間の価値は、むしろ上がっていく。

賭けない・無料の麻雀卓なら、町のおじいちゃんおばあちゃんがやって来て、田野に興味を持つ若い人がタダで麻雀を覚えに来る。その卓で生まれる会話こそ、AIには絶対に作れないものだと思っています。

進め方について

大切にしているのは、外から「プロデュースしてあげる」のではなく、この町の仲間に入れてもらうという順番です。自治会や地域の先輩たちにまず相談し、報告し、雑談する。地域の長老が若手を応援してくれる、いまの田野の空気はとても貴重だと思っています。

20年後も、田野が漁師町・海の町として残るために。外から来る人と町との接点を、ひとつずつ設計していきます。

一緒にやりませんか

学生の飛び入り、大歓迎です。

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